2つのものとは、一文と一つの写真である。まず一文である。
できるだけ静かな部屋を選び、その部屋を自分できれいに掃除をして、隅から隅まできれいに清めてトレーニングの場にしてください。『自分でできる超能力』P131
霊能力を発達させるためには清潔な場でなければならない。電気を消す、視界から余計なものを減らす、空気の出入りを小さくせよと著者本山博氏はいう。とはいえ清潔さは霊能力開発に限らず、あらゆる仕事に通じる。雑然とした所からは雑な仕事が生まれる。整然とした所からは整った仕事が生まれる。すぐに部屋の模様替えや物品の配置換えを思いたった。するとその頃、一つの写真をWebの記事で見た。

https://www.asahi.com/and/w/article/16473763
『東京の台所』というコラムで、ある人の亡父の部屋がテーマだ。1980年代の多摩ニュータウンに住んだ一家から子は巣立ち、母が亡くなり、残された父は20年そこに住んだ。かつて専門図書館勤務をしてリタイヤした方で、本が数千冊以上ある。その床から天井までの本棚も見事だが、何といってもキッチンが素晴らしい。美術を仕事にしていた奥さんのデザインだそうで、機能的でこざっぱりして、色合いがよくて料理が楽しくなるだろう。こんなキッチンがいいな!と心に感嘆符を立てて、私は部屋のあちこちを綺麗にし、創意工夫を入れて楽しむことにした。

鍋やフライパンの蓋の保管は誰もが苦労するが、100均のフックを使ってお皿のように立てかけるとそれらしくなった。ケトルをカトラリー立てにするのと、カゴを下げるのは真似た。カッティングボードを棚板にしてみたり、冷凍庫の壁面の氷壁を砕いたり、ていねいさが身についてきた。清潔かつ機能的にして変わるものは部屋だけではない。生きる姿勢である。何事もていねいにやろう、と思いだす。鍋の底まで磨き出した。それは心の底を磨くことに通じる。片づけの大家コンマリ(近藤麻理恵氏)ではないけれど、整理整頓こそ心を落ち着かせ、霊能を得る入り口である。
2026年4月23日
