かつて私は中学校で少しサッカーもしたし、旧国立競技場へブラジル代表と日本代表戦を観に行って、ペレからサインももらったことがあります。Jリーグができる前の天皇杯には何度も駆けつけました。浦和レッズを応援しに埼玉スタジアムへも行きましたよ。野蛮な応援がうるさくてね。
それから月日がたち、さまざまなことがあって、代表戦以外はサッカー観戦をほとんどしなくなりました。そうこうしているうちにプロサッカーの「放送」が消えて、ネットの「配信」になり、ますます縁遠くなりました。代わりに野球の、それも日本ハムファイターズの試合だけ観るという、コアな視聴習慣ができました。野球はサッカーよりずっと前からよく観ていましたから、観るポイントは知っていると思います。試合では技術であるとか、試合運びや流れであるとか、攻守の入れ替えに起きるハプニングであるとか。選手一人一人のまなざしや集中力、瞬発力やスピード、パワー、いろいろです。
その中でもっとも興味があるのが、個々の選手のヒストリーです。総じていえば、サッカーも野球も「選手の成長」が関心の中心。個々の選手にはひたすら走る日々の努力があって、機会をつかんでトップチームに選ばれて、一瞬のチャンスに活躍して、名を覚えられる選手になっていく。サッカーでも野球でもそこが楽しい。とくに日本ハムファイターズは若手の成長が著しく、それを引き出す監督の手腕がおもしろくて観るようになりました。成長するアスリートのストーリーが一番楽しいのです。
野球かサッカーかではないのですが、今日、日本代表が敗れたブラジル戦を観ると、「やはりサッカーはヒリヒリするな」と思いました。野球のようにだらだらしない。バスケットボールのようにルールで盛り上げる仕組みもない。ただ走りまわるだけで攻守の切り替え、肉弾戦でボールを動かしていく。ボールが止まった方が負け。実にシンプルで実にヒリヒリするじゃないですか。
私にとってサッカーの魅力に改めて気づかされた敗戦でした。ではこれからネット視聴でJリーグの配信を観るのか?外国のリーグ戦を追うのか?といえば、そこに気持ちはハマらない。できあがった選手ではなく「青い選手の成長」が観たいのです。
と考えたとき、地元には社会人リーグのチームがあるきりで、しかもスタジアムのないジプシーであることを思い出しました。そのチームでなくてもいいのです。器(スタジアム)をつくり、ひとを集めればいつかトップにいく選手が育つのではないか。ネット視聴よりそれの方が楽しいと思いついて、サッカー経験があり、スポーツで市政を盛り立てようという新人の市議会議員を見つけて、「焚き付ける」メールを送りました。地域にスタジアムを作ってください、Jリーグに登れるチームの土台を作ってくださいと書いて。
その議員らが動いて、市が動いたら、わたしは何が貢献できるのか。
思い起こせば32年前のアメリカ単独のワールドカップ開催の1994年、私はアメリカにいました。サッカーが根付いていない国では、さまざまな草の根活動やイベントがありました。そのうちのひとつ、子どもたちを集めてドリブルでコーンをジグザグさせて、タイムチャレンジをするイベントがあり、タイムキーパー役のボランティアをしました。走り終わった子供に向かって「18秒32ね」と告げるのです。そんなことくらいならできそうです。選手のストーリーを文にするのもできます。ライターは私の本業ですから。
今日の敗戦からたくさんのムーブメントが起きそうです。楽しいじゃないですか。
2026年6月30日