『黄金の華の秘密』(C.G.ユング R.ヴィルヘルム)は18世紀に道教の教えを文にしたもので、瞑想の秘伝である。
第7章の「回光活法」は3つの短文からなる。この章の要諦は三点ある。
1、瞑想は朝早く、1-2時間するのが一番いい。
2、日常生活や仕事を絶ってするような修行ではない。
3、日常生活の中で、光が反射するように自然な態度をとること。
1の点について、回光とは瞑想にさいして、身体の中でぐるぐると光を回転させるように呼吸を入れていくことであり、背骨の尾骨の先から息を入れて脳まで到達させ、眉間で止めてからおろしていく呼吸を毎朝実施せよといっている。
2の点は、断食せよとか、山にこもれとかいうことではなく、日常生活の中で実施しなさいという教えである。
3の点の「光が反射するような自然な態度」とは、自利と他利の区別なく、無意識に人の立場に立てることである。昨日、私はこれができた。
昨日は雨が強く降っていた。市民交流会館での仕事で、体育館での防災訓練補助の仕事を終えて、文化施設に帰ってきた。そのとき駐車場にワゴンが一台バックして施設の出入口に近づいてきた。切り返しにしては妙な動きで、なんだか施設に近づこうとしている。何をしてるんだろう?と思いながら文化施設の中に入ると、風除室に赤ん坊を抱いた母と幼い女の子がいた。
あ、そうかとピンときた。私はたたんだ傘をすぐに広げて、子を抱くお母さんに差し出した。
「早く乗って」
パパは濡れないように車を出入り口に近づけていたのだ。幼い女の子は雨の中を走っていった。私の差し出した傘で、母と赤ん坊は濡れないように車まで行けた。感謝された。こういう行動が無意識にできることが、光が反射するような自然な態度である。
とはいってもいつもできるわけではない。過日、目が不自由な人を駅で見つけたが私は声もかけず、ガイドもせずに歩き去ってしまった。後悔した。今度は意識せずに肘をつかってもらおう。
2026年9月7日